平成18年度「歯と口の健康週間事業」報告
2006.06.22
今年度も、山形市歯科医師会の依頼を受け、YDV劇団の幼稚園・保育園訪問並びに障害者福祉施設における無料歯科検診及び歯科保健指導を行いました。
その結果等について、下記のとおり報告します。
1.訪問先
保育園・幼稚園
訪問先 | 日時 | 人数 | DH数 | 内容 |
さくら保育園(東原) | 6/1(木) 10:00-11:30 |
90名 | 3名 | 人形劇・赤染め・歯科保健指導 |
ほほえみ保育園(北山形) | 6/12(月) 10:00-11:30 |
141名 | 4名 | 人形劇・赤染め・歯科保健指導 |
訪問先 | 日時 | Dr | DH数 | 内容 |
山形県コロニーセンター(沼の辺町)33名 | 6/8(木) 13:30-15:00 |
金谷 | 5名 | 身体障害者授産施設 健診・赤染め ※マスコミ取材有り |
メディアかかやき(本町)5名 | 6/22(木) 13:30-15:00 |
菊池 | 1名 | 精神障害者作業所 健診・赤染め |
障害者デイサービスはばたき(城西町)14名 | 6/22(木) 13:30-15:00 |
菊池 | 2名 | 知的障害者作業所 健診・赤染め |
2.健康診断等からの推察する検診及び保健指導の効果等
(1)平成17年及び平成18年と2年続けて訪問した障害者施設における効果や変化等(2回とも検診を受けた27名について)
- 通院したと思われる方(Cの治療・補綴状態より)…17名(63%)
(定期的に通院している2名を含む) - Pの改善がみられた方…4名(15%)
(3名は20~30代の若い方で、1名は40代で抜歯によるものと思われる。) - Pが進行した方…3名(11%)
- Pの状態が昨年度と同じ方…10名(37%)
【考察】
- 平成17年の訪問で歯科への関心が高まり、多くの方の受診につながったと思われる。
- Pの改善がみられた方がいたり、進行した方が少なかったことから、平成17年の保健指導が活かされたと考えられる。
- 今回の健診受診が定期的なメンテナンスの習慣につながることが望まれる。
(2)平成15年及び平成18年に訪問した比較的軽い知的障害を持つ20~30代の若い方の施設における効果や変化等(2回とも検診を受けた10名について)
- 通院したと思われる方(健診結果と聴き取りによる)…7名(70%)
- Pが進行した方…10名(100%)
【考察】
- 受診率70%という大きな成果は、平成15年の訪問によって職員・保護者の皆様に歯科の重要性を認識していただいた結果だと考える。
- Pの進行抑制のためには、カリエスの治療だけに留まらず、歯科医院におけるPの治療や指導、定期的なメンテナンスが必要であると考える。
- 障害の特徴から、1回の指導だけではブラッシングの巧緻性や持続性は期待できないと思われる。
3.まとめ
先日行われた「障害者歯科研究会・シンポジウム(平成18年7月12日)」によると、障害を持つ者は人口のおよそ一割と言われております。そのような中で、山形市として障害者歯科のための施設の充実を図ることはもちろんですが、私たち一般歯科医療側もノーマライゼーションの理念に基づいた医療を提供する責務があると実感しました。
山形県歯科衛生士会 渡辺まり子